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ゴーゴーバー嬢、風俗嬢との恋愛

2017年12月28日

ゴーゴーバー嬢、風俗嬢との恋愛

再会

彼女がバイクにまたがり、ホテルにまでやってきた。白く、柔らかな笑みをこぼす。今日、一日、彼女と過ごすことができる。

 彼女は調子が悪いらしく、咳が出ていた。

「大丈夫か?」

ホテルでゆっくり過ごそうかと思ったが、私は彼女とデートがしたかった。

 

船に乗り、島へと向かった。

 

島にて 

ホテルの窓から、キレイな海が見えた。部屋に入るなり、彼女はベッドにもぐった。やはり、調子が悪いのだ。

私がシャワーを浴びていると、微かな寝息をたてて眠っていた。 

 

窓から海が見えた。西欧人や中国人観光客が水着姿で楽しそうに過ごしている。彼女にとって、キレイな海は特に目新しいものではない。

 

会うなり、彼女は元気がなかった。スマホを落としてしまったらしい。ズボンの尻ポケットに入れたら落としてしまったようだ。

「あたりまえだよ。ちゃんとハンドバッグに入れなきゃ」 

 

彼女がショックなのはわかる。スマホには、友だちなど必要な人のアドレスのほか、たくさんの想い出の写真や画像が入っている。

 

スマホは約3000バーツ。「いいよ。買ってあげるよ」と言ったが、やはり彼女は元気がない。

 

素朴なビーチ

彼女はずっと眠っていた。起きる気配はなかった。私はひとり、浜辺を歩いた。空がやがて夕焼けに変わり、浜辺には人の姿がなくなった。 

 

それでも、帰る部屋に誰かがいるということ、女がいることはずいぶん気持ちがやわらいだ。 

 

部屋に戻ると、彼女が起きていて、「お腹がすいた」と言った。私は微笑み、浜辺で食事した。  

素朴なビーチ。素朴なメニュー。高級なものは何一つない。だが、こんなに素晴らしく、素敵なテーブルはない。暮れてゆく空。静かに寄せては返す波。私はこんなふうにして彼女と過ごしたかった。 

 

彼女は理由があって、一晩、一緒に過ごすことができない。だから、いつも短時間でしか会えなかった。ゆっくり、のんびり過ごすのは初めてだ。

 

 

食事を終えて、部屋に戻った。シャワーを浴びる。全裸の彼女をマッサージしてあげる。素晴らしく、美しいプロポーション。彼女の身体を気づかい、短いセックスで終えた。 

 

しばらく彼女は眠った。

 

夜の海へ 

真夜中、彼女が起き出し、「海が見たい」と言った。

私たちは、真っ暗な砂浜へと歩き出した。浜辺のイスに座り、ビールを飲んだ。「歩きたい」と彼女が言うので、手をつないで歩いた。 

 

星がキレイだった。彼女を抱き寄せ、キスした。好きだ、と初めて言った。彼女は優しく微笑した。 

 

手をつないで眠った。だが、ビールを飲み過ぎたのが悪かったのか、朝から彼女は激しい腹痛に襲われた。朝食も食べることができない。私はずっと彼女に付き添い、ベッドに横たわっていた。窓の外には、青い海が広がり、大勢の観光客たちが楽しそうに遊んでいた。

 

チェックアウトのギリギリまで、彼女は眠り続けた。帰り際、船に乗る前に彼女は「5000バーツのお金が欲しい」と言った。スマホ代が3000バーツ。彼女の取り分は2000バーツ。ほんの短いセックスしかしていない。観光地に来たのに、彼女はずっと眠っているだけだった。 

 

最初、私は断った。だが、船が動き、島が遠ざかるのを見つめ、「いいよ」と言った。

 

私たちには、もうあの想い出しかないのだ。

 

もうすぐ正月 

店に行って、気軽に女を物色し、カネを払い、それ相応のサービスを受ける。だが、身体も心も満たされない。 

 

ゴーゴーバー嬢や風俗嬢との恋愛に限らず、女と付き合うことは、楽しいことよりも、つらく苦しいことの方が多い。それでも彼女が好きだったら、それに耐えうることができるだろう。

 

船が港に着き、彼女の運転でホテルまで送ってくれた。路上で、別れのキスをした。もうすぐ正月だ。彼女は明日、故郷へと帰ってゆく。彼女には、帰るべき場所がある。だが、私にはどこにもない。また旅を続けるしかない。